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低未利用土地の100万円控除が2028年末まで延長|相続した空き地の売却と空き家特例との違い|令和8年度改正

相続したものの使っていない空き地や、古い空き家が建ったままの土地を、低い価格で売ることがあります。このような「使われていない土地」を個人が売った場合、売ったもうけ(譲渡所得)から最大100万円を差し引ける特例があります(正式名称:低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の100万円特別控除)。

令和8年度(2026年度)の税制改正で、この特例が3年延長されました。

<この記事の監修者>

監修者(吉本貴幸)

吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士

1973年生まれ 法学修士。1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。

この記事のポイント

  • 特例の期限が、2025年(令和7年)12月31日から2028年(令和10年)12月31日までの売却に延びました。
  • 使われていない土地などを売ったとき、もうけから最大100万円を差し引けます。
  • 売った金額(建物の代金を含む)が、市街化区域などは800万円以下、それ以外は500万円以下であることが条件です。
  • 売った年の1月1日時点で、持っていた期間が5年を超えている必要があります。
  • 確定申告のときに、市区町村長が発行する確認書が必要です。

そもそも、どんな特例?

土地などを売ってもうけが出ると、所得税と住民税がかかります。この特例を使うと、そのもうけから最大100万円を差し引くことができます。もうけが100万円に満たない場合は、そのもうけの金額までが控除の限度です。

例えば、市街化区域内など800万円以下の基準が使われる区域にあり、ほかの条件も満たす土地を600万円で売り、買ったときの値段などと売るときの費用の合計が300万円だった場合、もうけは300万円です。特例を使うと、税金がかかるもうけは200万円になります。

対象になる主な条件

条件内容
場所都市計画区域内にある土地
土地の状態住まいや事業などに使われていない土地、または周りの土地に比べて利用の程度が著しく劣っている土地(低未利用土地)と、その土地の上の権利
持っていた期間売った年の1月1日時点で5年超
売った金額市街化区域などは800万円以下、それ以外は500万円以下(土地の上の建物などの代金を含む)
売った後買った人がその土地を利用すること
売った相手配偶者や親子など、特別な関係のある人への売却は対象外
確認書市区町村長の確認書が必要
分けた土地前年か前々年に、もともと同じ一筆だった土地から分けた土地でこの特例を受けている場合は対象外

※800万円以下の基準になる「市街化区域など」とは、(1)市街化区域、(2)市街化区域と市街化調整区域の区分がない都市計画区域のうち用途地域が定められている区域、(3)所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域(都市計画区域内)をいいます。

このほか、収用の特例など、ほかの譲渡所得の特例を受ける場合は使えません。また、前年か前々年に、もともと同じ一筆だった土地から分けた土地でこの特例を受けている場合も使えません。

相続した土地でも使える?

使えます。相続した土地の「持っていた期間」は、原則として亡くなった方が取得した日から数えます。そのため、相続したばかりでも、亡くなった方が長く持っていた土地であれば、5年超の条件を満たすことが多いです。

なお、相続税を納めた方が、相続税の申告期限の翌日から3年以内(亡くなった日からおおむね3年10か月以内)に相続した土地を売る場合は、「相続税の取得費加算」という別の特例もあります。どの特例が使えるか、組み合わせられるかは、個別に確認が必要です。

空き家の3,000万円控除との違い

相続した家や土地を売るときは、「空き家の3,000万円控除」(正式名称:被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)が使える場合もあります。主な違いは次のとおりです。

項目低未利用土地の100万円控除空き家の3,000万円控除
控除できる額最大100万円最大3,000万円(2024年以降の売却で、その家や敷地を相続・遺贈で取得した相続人が3人以上の場合は最大2,000万円)
売った金額の上限800万円以下(市街化区域など)または500万円以下1億円以下
対象になる家・土地使われていない土地(建物が建っていても対象になる場合あり)亡くなった方が一人で住んでいた家で、1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられたもの(マンションは対象外)と、その敷地
建物の条件特になし耐震基準を満たすようにするか、取り壊すこと(売った年の翌年2月15日までに買主が行う場合も可)
持っていた期間売った年の1月1日時点で5年超条件なし
売る期限2028年12月31日まで相続から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日まで
確認書市区町村長の「低未利用土地等確認書」市区町村長の「被相続人居住用家屋等確認書」

なお、空き家の3,000万円控除は、相続した後に住まい・貸付け・事業に使っていないことも条件です。家を取り壊して土地だけを売る場合は、取り壊した後に建物などの敷地として使っていないことなどの条件もあります。

同じ売却で、2つの特例を重ねて使うことはできません。古い実家とその敷地を売る場合は、まず控除額の大きい空き家の3,000万円控除が使えるかを確認し、使えない場合に低未利用土地の100万円控除を検討するのが一般的な考え方です。

確定申告での手続き

この特例は、確定申告をして初めて受けられます。申告書に、次の書類を付けます。

  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
  • 市区町村長の「低未利用土地等確認書」
  • 売買契約書の写しなど、売った金額が分かる書類

確認書は、売った後に市区町村の窓口へ申請して受け取ります。申請先や必要な書類は市区町村ごとに異なるため、早めに確認しておくと安心です。

よくある質問

Q.いつまでに売れば使えますか?

A.2028年(令和10年)12月31日までの売却が対象です。

Q.空き家が建ったままの土地でも使えますか?

A.使える場合があります。ただし、売った金額が800万円以下(または500万円以下)かどうかは、建物の代金も含めて判定します。

Q.京都市内の土地は、800万円と500万円のどちらが基準ですか?

A.市街化区域内の土地であれば、800万円以下が基準です。土地がどの区域にあるかは、市区町村の都市計画の情報で確認できます。

まとめ

  • 使われていない土地を安く売ったときの100万円控除が、2028年12月31日まで延長されました。
  • 売った金額の上限、5年超の所有期間、買った人による利用、市区町村長の確認書などの条件があります。
  • 相続した土地でも、亡くなった方の持っていた期間を引き継いで判定します。

相続した空き地や古家付きの土地の売却をお考えの方は、売る前の段階でご相談ください。土地がどの区域にあたるかの確認、空き家の3,000万円控除とどちらが有利かの比較、確認書の段取りまでお手伝いします。

参考:財務省資料、国税庁資料

※2026年10月7日現在の公表資料に基づく一般的な説明です。分かりやすさを優先して表現を簡略化しているため、実際の適用には細かい条件があります。個別の事情により取扱いが異なる場合があります。

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