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こどもNISAが2027年1月スタート|0〜17歳で年60万円まで非課税|祖父母からの贈与で使うときの注意点|令和8年度改正

令和8年度(2026年度)の税制改正で、2027年(令和9年)1月から、18歳未満の子どもでもNISA口座を開けるようになります。いわゆる「こどもNISA」です(NISA口座の中に設けられる枠の法令上の名称:未成年者特定累積投資勘定)。

子どもや孫の将来のために、親や祖父母がお金を出して積み立てる使い方が多くなると思われます。その場合は、贈与税と相続税のルールもあわせて押さえておくことが大切です。この記事では、こどもNISAのしくみと、贈与で使うときの注意点を解説します。

<この記事の監修者>

監修者(吉本貴幸)

吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士

1973年生まれ 法学修士。1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。

この記事のポイント

  • 2027年1月から、0〜17歳の子どももNISA口座を開けるようになります。
  • 投資できるのは年60万円まで、非課税で持てる上限は購入金額で600万円です。
  • お金は原則として、その年の3月31日に12歳である年の前の年まで引き出せません。その年以降は、本人の教育費などに使う場合に引き出せます。
  • 親や祖父母がお金を出すと贈与になります。ほかの贈与と合わせて年110万円以下なら、贈与税はかかりません。
  • 名義だけ子どもで、実際は親が自由に使うお金だと、親の財産と扱われるおそれがあります。

こどもNISAのしくみ

これまでNISA口座を開けるのは、その年の1月1日時点で18歳以上の人に限られていました。2027年1月1日以後は、年齢に関係なく口座を開けるようになり、その年の1月1日時点で18歳未満の間は子ども向けの枠(こどもNISA)が設けられます。

項目こどもNISA(1月1日時点で0〜17歳)1月1日時点で18歳以上(通常のNISA)
年間に投資できる額60万円つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円
非課税で持てる上限購入金額で600万円1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
投資できる商品長期の積立・分散投資に向いた一定の投資信託つみたて投資枠は同じ。成長投資枠は上場株式・投資信託など
投資のしかた契約に基づいて定期的に積み立てる方法つみたて投資枠は同じ。成長投資枠は制限なし
引き出し原則として、その年の3月31日に12歳である年の前の年まで不可。その年以降は教育費などに限り可制限なし

非課税で持てる上限の600万円は、購入金額(簿価)で判定します。値上がりして時価が600万円を超えても、そのことだけで課税されるわけではありません。

通常のNISAの投資枠が使えるのは、その年の1月1日時点で18歳以上となる年からです。こどもNISAで持っている投資信託は、そのまま通常のNISAに引き継がれ、18歳以降の生涯の上限(1,800万円)の中で数えられます。また、こどもNISAの口座は1人1口座で、複数の金融機関で同時に開くことはできません。

引き出しのルール

こどもNISAは、大学進学などの将来に向けた長期の積立を目的としているため、引き出しに制限があります。

  • その年の3月31日に12歳である年の前の年まで:原則として引き出せません。災害で住まいに大きな被害を受けた場合など、特別な事情があるときに限り、税務署長の確認を受けたうえで、口座のお金をすべて引き出すことができます。
  • その年の3月31日に12歳である年から:入学金や授業料など、本人の教育費や生活費に使う場合に、金融機関に書類を出して引き出せます。手続きは親などの法定代理人が行い、本人の同意も必要です。12歳を過ぎても、自由に引き出せるわけではない点に注意が必要です。

決められた条件に合わない払い出しをすると、非課税の扱いを受けられなくなる場合があります。

親や祖父母がお金を出すと「贈与」になります

子ども名義のこどもNISAに入れるお金を親や祖父母が出すと、そのお金は子どもへの贈与になります。贈与税は、受け取った人(子ども)1人につき、1年間に受け取った贈与の合計が110万円を超えた場合にかかります(暦年課税の場合)。

こどもNISAの上限は年60万円なので、こどもNISAの分だけであれば贈与税はかかりません。ただし、同じ年に祖父母や親からほかにもお金をもらっていると、合計で110万円を超えることがあるので注意が必要です。

「名義だけ子ども」は親の財産とみなされるおそれ

口座の名義が子どもでも、実際には親がお金を出し、親が管理して自由に使える状態だと、贈与が成立していないとして、親の財産と扱われることがあります。その場合、親の相続のときに、親の財産として相続税の対象になる可能性があります。

贈与として扱われるようにするため、次の点を意識しておくと安心です。

  • 贈与する人と受け取る側(子どもが未成年の間は親権者)が合意したことを、贈与契約書などで残す
  • 毎年の贈与の都度、お金の動きが分かるように記録を残す
  • 子どもが大きくなったら、口座があることを本人にも伝える

祖父母からの贈与と相続税の関係

亡くなった方から相続や遺贈で財産を受け取った人は、亡くなる前の一定期間(2031年以後の相続では7年)に受けた贈与が、相続税の計算に加算されます。

孫は、親が先に亡くなっている場合(代襲相続)などを除き、祖父母の相続人ではないため、祖父母の財産を相続や遺贈で受け取らなければ、この加算の対象になりません。そのため、祖父母から孫への贈与は、相続税の対策として使われることが多い方法です。ただし、遺言で孫に財産を残す場合や、孫が生命保険金の受取人になっている場合は、加算の対象になることがあるので注意が必要です。

一方、親から子への贈与は、子が親の相続で財産を受け取るのが普通なので、加算の対象になる期間内の贈与は原則として相続税の計算に加算されます(相続開始前3年より前の延長された期間の贈与は、合計100万円までは加算されません)。

なお、教育資金の一括贈与の非課税制度は、2026年3月31日で新しい適用が終わりました。こどもNISAは、その後の教育資金づくりの選択肢の一つとして検討されることになりそうです。ただし、将来の教育費が目的でも、NISAで運用するためのお金の贈与は、必要な都度直接支払う教育費の非課税とは別の扱いです。詳しくは「教育資金贈与の特例制度が終了 今後は「都度贈与」への原点回帰が重要に」をご覧ください。

よくある質問

Q.いつから使えますか?

A.2027年(令和9年)1月1日以後に開設する口座から使えます。

Q.祖父母が毎年60万円を出すと、贈与税はかかりますか?

A.その年に孫が受け取った贈与が、ほかの贈与と合わせて110万円以下なら、贈与税はかかりません。

Q.祖父母が亡くなったら、孫のこどもNISAはどうなりますか?

A.口座は孫本人の財産なので、そのまま続きます。贈与がきちんと成立していれば、孫が祖父母の財産を相続などで受け取らない限り、祖父母の相続税の計算には原則として加算されません。

まとめ

  • 2027年1月から、0〜17歳の子どももNISA(年60万円、上限は購入金額で600万円)を使えるようになります。
  • その年の3月31日に12歳である年の前の年までは原則として引き出せず、その年以降は教育費などに限って引き出せます。
  • 親や祖父母が出すお金は贈与です。年110万円の基礎控除と、贈与の記録の残し方に注意しましょう。
  • 祖父母から孫への贈与は、孫が相続などで財産を受け取らなければ、相続税の加算の対象になりません。

子どもや孫への資金援助と相続税対策の進め方は、ご家族の状況によって変わります。贈与の方法や記録の残し方も含めて、ご相談ください。

参考:財務省資料、国税庁資料

※2026年10月8日現在の公表資料に基づく一般的な説明です。分かりやすさを優先して表現を簡略化しているため、実際の適用には細かい条件があります。個別の事情により取扱いが異なる場合があります。

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